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TPPを進める上での冷静な議論

 2011-11-20
野田首相は、APECに行くにあたりTPPに参加を表明しました。メディアでは、所信表明演説では触れていないことを「見切り発車」したと酷評されています。また、ISD条項(正確には、Investor State Dispute SettlementなのでISDSと表記する)に関して、自民党議員からの質問に対して明確に答えることができなかったという点もネット上で取り上げられ、散々なめにあっているのも周知の事実です。

私は、賛成か反対かという、田原総一朗氏的な問いかけで質問されたならば、「賛成」と答えるでしょう。ただ、条件付きです。政府による交渉力がものをいうTPPには、国家としての戦略が必要であることが大前提です。特に、国家戦略が重要となってくるのがISD条項です。日本は既に25ヶ国とISD条項を結んでいます。発展途上国には、市場が未整備なのでISD条項がないと一方的に日本企業や投資家が損をしてしまうからです。よって、ISD条項には、両面があるということは知っておく必要はあります。むしろ、日本はISD条項を求めていたのは、共通のルールの上で商売をするためには、必要だと考えていたからです。

しかしながら、ISD条項によって、日本がアメリカによって乗っ取られると考えている方が、保守派にも一定数いますが、確かにISD条項の胡散臭さはあります。アメリカ政府は、「自由貿易の名の下の保護貿易」を結構やっているからです。

例えば、日米自動車摩擦や日米半導体摩擦があります。アメリカが自由貿易の国であれば、日米間の貿易不均衡に対して文句を言わないことになります。なぜならば、貿易は比較優位によって決まっており、自国で生産するよりも日本で生産した製品を購入するほうがメリットが大きいのです。アメリカの消費者にとってはメリットをもたらしたことでしょう。ただし、貿易には国内生産者に不利益が出るのも事実です。自動車業界は、日本車をハンマーで壊すパフォーマンスまでして、日本(車)を敵視したこともありました。

もし、反対派がいう通り、日本市場が閉鎖的で、投資家が不利益を被った場合には提訴されるケースも十分にありえることです。政府としても、ISD条項を推進すると同時に提訴されたケースまで含めて対応する慎重さが必要になります。ISD条項は、自由貿易とは関係ない制度上の問題です。また、法律問題と外交交渉の問題でもあります。裏返せば、専門のスタッフによる対策を十分検討する時間は必要になります。あらゆるケースを想定して対策を練っておかないと、いざというときに対処できません。私が慎重な態度をとった理由はここにあります。

一方、反対派が言うように、日本が一方的に敗訴して、日本市場がアメリカが乗っ取られるのかどうかには懐疑的です。

15年前の日米貿易摩擦では、アメリカ側からの理不尽な要求に対して、日本政府は結構粘り強く交渉しました。自動車摩擦では、最後は日本からの輸出自主規制を敷きましたが、実はこれによって日本はメリットを得たのです。というのも、自動車の輸出台数を制限した交渉でしたので、価格面は考慮していませんでした。この間隙をぬって高級車を輸出しまくったのです。これによって、日本製の高級車が大量にアメリカ市場に流れました。

当時から、日米間には摩擦がありました。近年は米中間にシフトしつつありますが、アメリカを中心とした外資系の参入が進んだことは事実です。ただし、それによって日本の自動車業界が潰れたでしょうか。日本の生保や損保会社が乗っ取られたでしょうか。もっと時代を遡れば、牛肉とオレンジの輸入自由化によって、畜産農家とみかん農家が完全撤退したでしょうか。結論は言うまでもありません。決して、反対派が懸念するような事態にはなっていないのです。競争をすることによって、むしろ強化されたというのが現実です。よって、必要以上に懸念するのはどうかと思います。もう少し、日本の産業を強化することなどを考える方がよほど建設的でしょう。


続く
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