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「円売り」を安易に口にするべきではない

 2011-08-04
急激な円高が進み、政府と日銀は協調介入と金融緩和で対処する旨を発表しております。それ自体は誠に正しいことですので、しっかりとやって頂ければ結構なのですが、余計なことを公言する経済学者がいるのも事実です。現時点、国際金融市場は厳しい状況にあると言えるでしょう。米国のデフォルト懸念は一時的に回避されたとはいえ、米国経済の見通しは依然として明るくはありません。FRBのバーナンキは金融緩和第三弾QE3の可能性をほのめかしています。欧州では、ギリシャの財政危機、ポルトガルやスペインも財政破綻の可能性が出ており、ユーロが購入されるインセンティブは低いと言われております。そこで、現在は日本円が買われているわけですが、日本の債務だけをクローズアップして、「日本売り」がいつでも起こりえることを公言する経済学者やトレーダーがいることも事実です。トレーダーの場合は、利益を出すためにコメントしている可能性があるので迂闊に受け入れることはできませんが、経済学者の場合はどの分野を専攻しているかによって、日本経済の見方が変わってきます。

例えば、財政学者はほとんど増税派です。消費税15%の実現を提言しており、財政学の著作も多い慶応大学の土居丈朗教授は、日本の財政が維持不可能な水準まで来ていることから、財政再建を強く主張していることでも有名です。

関連記事はこちら
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110802/mca1108021921026-n1.htm

土居教授は、「いつ日本売りが起きてもおかしくない」ということですが、これは日本の粗債務だけを見て判断していることに注意が必要です。もちろん、純債務残高だけをみても、日本財政は世界一悪いのですが、そう簡単に投機家が円売りに動く理由としては薄いのではないかと思われます。

同じ論歩でいけば、既に、日本の財政は2000年に入って急激に悪化していますので、確かにいつ円売りとなってもおかしくないわけです。しかしながら、いまだに円売りが起きていないということは、それだけ日本円に対する相対的な信頼感もあるということです。デフレと不況、加えて震災と原発によるショックは、日本経済にとってはマイナスです。また、金融政策が緩慢であることから、諸外国と比較してもリーマン・ショックからの立ち直りが遅いことがデフレ要因となっています。インフレ率が相対的に低いと、デフレとなるのは理論通りです。つまり、トレンドとしてはデフレが続くというのが理論的な見方であり、円売りとなる可能性を見つけることは難しいです。

そして、土居教授は日銀の直接引受は財政の不安をもたらすということですが、これはもう少し詳しい説明が必要なのではないでしょうか。まさか、引受をしたらハイパーインフレになるとは言わないでしょうが、日銀引受は毎年行われているわけですし、規模も限定しておけばインフレも抑制できます。さらに、金利収入は政府に入るわけですから、教授がいうように必ずしも財政に不安をもたらすわけではありません。

大変恐縮ではありますが、土居教授の説明は日本破綻論を煽っているマスコミと大差ないレベルです。円売りの可能性がゼロというつもりはありませんが、どうすれば財政の持続可能性と成長が両立できるかを説明するべきではないでしょうか。教授が最後に指摘されている通り、国民にインフレ期待をもたせるならば、それこそ日銀による直接引受があります。政府紙幣の発行も検討可能です。具体策を示さず、「いつ円売りが起きてもおかしくない」とは無責任だと言わざるを得ません。

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