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WSJが復興増税を否定

 2011-04-07
アメリカの有力紙の一つであるウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、再度日本経済に関して触れています。前回は、与謝野氏が大臣に就任した際に、消費税増税に関して批判をしていました。
今回は、日本の復興支援に関する内容で、日本国民が増税を望んでいる点をけん制しています。
 
転載始め
菅首相、日本を復興に導け
2011年4月4日 Wall Street Journal
http://jp.wsj.com/Japan/node_214591

菅首相は今後数カ月、二つの大きな、かつ関連した障害に直面する。電力と経済成長の問題だ。

日本は今回の地震により、原子力・火力発電で2万メガワットの発電能力を失った。これは国内の電力供給の20%に相当する。この電力不足により、自動車・石油化学・電子部品などのメーカーは生産を削減するか一時的に停止している。

ゴールドマン・サックスによると、日本の自動車会社の1週間当たりの損失額は15億ドル(1250億円)。

日本はアジアでは第2位の石油化学製品の生産国であるほか、半導体集積回路に使われるウエハー製造では世界の半分以上を占めている。

これらのメーカーの減産や生産停止で日本経済は短期的には影響を受けないが、グローバル・サプライチェーンを通じて影響は拡散する。

例えば一部のアナリストの間では、アップルのタブレット型端末「iPad2」は、一部主要部品の日本メーカーが注文に応じられなくなれば、世界での発売が遅れる可能性がある、との指摘もある。

電力が夏までに復旧しなければ、日本は急激な経済成長の減速に直面するだろう。国民はエアコンの利用を減らし、猛暑と湿気に対応することになり、日常活動も影響を受ける。

過去10年間の日本経済の強みはグローバル・サプライチェーンに自らを組み込み、重要な産業部品を提供することで発揮されてきた部分が多い。活動停止が長引き、これらの部品供給が不足すれば、日本企業は顧客を失うリスクに直面する。

日本企業の顧客はほかで供給元を探さざるを得なくなるためだ。韓国と台湾のほか、欧州の企業も日本の苦境で恩恵を受ける可能性がある。

危機が後退すれば、日本のハイテク輸出の全般的な見通しは一段と暗いものになっている可能性がある。日本経済全体も問題が増えていることになる。

今後、菅首相が直面する最大の試練は経済の立て直しだ。

これまで彼が送っているシグナルは交錯している。ポジティブな面は、政府が子ども手当を増額しようとする計画を見送る方針を示唆していることだ。

子ども手当は、政府の財源にとって不必要な支出と長い間批判されてきた。ただ心配なのは、菅首相が増税の可能性を否定せず、法人税についても40%から35%への引き下げ案を撤回することを検討していることだ。

今回の危機を受けて日本の団結を示す例として挙げられるのは、ある世論調査でほぼ70%が増税に賛成している点だ。日本経団連会長でさえも法人税の据え置きを支持することを示唆している。

これらの自己犠牲的な感情は称賛できるが、増税は日本が必要としているものではない。

日本企業は今回の危機でいままで以上に競争力を付けなければならない。減税を実施すれば、企業は収益を設備投資や研究開発に振り向けることができる。

また、日本はずっと消費低迷が続いており、所得税や消費税を引き上げれば、さらに個人消費が冷え込み、国内市場に焦点を当てている企業に悪影響が及ぶ。

日本政府は、被災地に工場を建てたり製品などを調達するなど、被災地への投資を決めた企業に対しては、優遇税制措置を講じる必要がある。経済産業省も、地元の起業家に対し、被災地での小規模事業立ち上げを奨励すべきだ。

もちろん被災者救援が終わり、復興が始まるまでにはまだ多くの時間がかかる。

しかし、菅首相は、復興のための成長戦略を採り、財政逼迫を理由とする増税は行わないといった政策を積極的に行うことで、経済界・金融市場・世界などに力強いシグナルを送ることができる。

菅首相の評価は、震災直後の混乱への対応だけではなく、日本をこの大災害から可能な限り力強く脱却させたかどうかで決まる。
転載終わり
 
読者の皆様は、WSJがおかしなことを言っているとお思いでしょうか?
実は、WSJは極めてまともな主張をしているだけです。
不況に加えて、今回は未曽有の大災害があった日本経済で、増税は明らかにマイナス効果を生むということを指摘しています。これは、経済学の基本であり、まったく普通の議論です。日本は、なぜか「増税やむなし」という論調が強いのが不思議でしかたありません。財源を確保するために必死なのでしょうが、この時期に増税をしたならば、震災を受けていない経済まで打撃を蒙ることになります。震災の被害を平準化するならば、復興債の方が望ましいことは、このブログでも紹介しました。
 
とにかく、日本の経済学者やエコノミストの政策提言は、海外から見れば異常に見えるということです。
累積債務が1000兆円になろうとしていることは事実で、世界でもトップの金額ではありますが、イギリスでは公的債務が対GDP比で200%を超えた時期もありました(現在の日本がこの水準)。だからといって大増税をしたわけではありませんし、イギリス経済が破綻したわけでもありません。
よって、公的債務が高いから増税をするというのは、一見正しいように見えて、かえって財政を悪化させる要因にもなるとういうことを知らなければなりません。目先の増税を考えてのことでしょうが、復興に関してはあまり効果はありません。もし、増税したとしても、国庫に入るのは来年です。今年の経済成長を落とさないためにも、今は復興債を発行して日銀の直接引受をしたほうが、はるかに早く復興財源が確保できます。こうした、基礎的なことがまったく議論されていないことが気がかりでなりません。
 
簡単なことですが、経済はお金が回ることが大事になります。増税は、民間で回るお金が縮小することになるのです。いくら、政府がそのお金を復興支援したとしても、増税をする分経済はマイナスになります。均衡財政乗数定理は、理論的な話であって、現実には政策として主張する経済学者はあまりいません。日本の経済学者くらいです。震災があって、少しでもお金を回さなければいけない時に、自粛ムードと増税をやったら、それこそ大不況となります。
 
今は、日銀がようやく紙幣を刷って短期金融市場に資金供給していますが、震災という財政法5条の但し書きにあるように、特別な事由にあたる条件があるので、迷うことなく復興債の日銀直接引受を使えばよいだけの話です。
 
財政規律が気になるならば、金額を定めた範囲以上はしなければよいだけの話です。インフレが気になるならば、目標値を2%か3%に設定して、それを超えるようならばやめればよいのです。間違っても、ハイパーインフレになるということはありません。ハイパーインフレは、物不足の経済でよく起こるものであって、需要不足での経済ではよほどのことがない限り起こりません。よって、財政規律やハイパーインフレというのは気にするものではないのです。
 
WSJがご丁寧に指摘してくださっているので、菅首相は素直に耳を傾けるべきでしょう。
 
 
 
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