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為替、株価、税制について

 2009-12-18

経済学では、株式市場と為替レートの研究はそれほどみかけなくなりました。あっても計量モデルでの推計くらいです。むしろ、エコノミストの方が包括的な分析をしていることが多いと言えるでしょう。
最近の円高基調は、民主党政権誕生後から顕著になりました。原因は様々ですが、榊原英資氏が円高論者でありますので、円高繁栄論があるのかもしれません。決して、円が他の通貨に対して強くなっているわけではありませんが、確実に円高基調になっています。ドルに対する不安が最大の原因でしょうが、最近は基軸通貨ドルの危機を煽る本や記事も増えてきました。その点に関しては、私は否定的です。現実、ドルの決済が終わり、すぐにユーロや円、元に変わる可能性は高くありません。むしろ、決済通貨というよりは、ドルに対する信任が揺らぎ、世界がドルを売りに出るシナリオはまだ現実的でしょう。まあ、アメリカ政府がそんなことは許さないでしょうが・・

さて、最近の円高と株価の関係をちょっとだけ調べてみました。もちろん、名目為替レートと株価の推移なので、100%正しい分析だとはいえないことは断っておきます。ただ、視覚に訴えるという意味では有効な図が下記のグラフです。

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=998407.O&ct=z&t=3m&q=l&l=off&z=n&p=&a=&x=on&v=on&bc=%E6%AF%94%E8%BC%83

上のサイトに出た図から、為替レートと株価がほぼ一致した動きをしています。円高基調になってから下がり始め、日銀による介入と円高感が一服した11月末あたりで上昇しました。やはり、マーケットでは円高が輸出産業の業績悪化が株価に悪影響を及ぼすと考えているのでしょう。1円円高になれば30億円の損失が出るとも言われておりますから、仕方ないことなのかもしれません(あくまでも短期の分析だが)。

では、経済全体にとって円高はそれほど悪い話なのでしょうか。
実際は、長期的には日本経済にとっては良い効果を及ぼします。円高になれば、輸入品が安くなります。その結果、消費を喚起する効果があるのです。さらに、日本の輸入は海外にとっての輸出ですから、彼らの所得が増えれば日本の輸出も増えていくことができます(少なくとも理論的にはそうなる)。その意味で、榊原氏の円高繁栄論は決して間違っているわけではありません。日本経済は、プラザ合意以後は極端に円高を強いられたにも関わらず、極端に輸出は落ちることはありませんでした。日本ブランドが世界に浸透している証拠です。日本企業の想像を絶する企業努力があったのは間違いありません。

つまり、円高によって困るのは企業であり、消費者は安い輸入品を消費できるメリットがあるということが分かります。日本の消費はGDPの6割を占めていますので、海外からの輸入品を消費できる選択肢が増えたことになります。さらに、製品差別化理論から言えば、バラエティがたくさんあればあるほど、消費者はそれだけメリットがあることが分かっています。特に、先進国内の貿易がこれにあたります。経済学では産業内貿易と呼びます。08年にノーベル賞をとったクルーグマンが主に開発した理論でも有名です。

よって、円高は必ずしも日本経済にとっては悪いものではありません。この裏にある貿易黒字・赤字の問題も良い・悪いというレベルの話ではありません。考慮しなければいけないのは、日本は内需の国であるにも関わらず、外需頼みの政策であったことです。しかし、実際は日本は立派な内需の国です。それが、今までは生産者と政府支出に向いていただけであったと考えられます。

消費に注目すれば、現時点消費税の増税は極めて危険です(橋本内閣は消費税増税で痛手を受けた)。消費を促すような税制はもっと考慮するべきではないでしょうか。日本の金融資産はほとんどが預金です。貯蓄が多いということは、必然的に消費が少ないということです(それ自体は悪いことではないが)。ただ、なぜ貯蓄が少ないかに関しては単純な決め付けはできません。日本人が貯蓄が好きだとか、税制が高いとか様々な原因がありますので、一概には判断しかねます。もっともらしい結論は、デフレが進行しているので現金の価値が高くなったということです。また、今年100万の車が来年には90万円になれば、今年の消費は控えるでしょう。こうした効果が複合的に重なっていると思われます。

さて、一方金融資産1400兆円を塩漬けにするよりも消費をしやすい環境を作ることも研究するべきでしょう。消費景気が起きれば、企業の業績も良くなります。ただ、現在は欠損企業は7割もあります。企業所得の25%しか法人税は納められていません(国税庁のデーターより)。やはり、内需主導の景気対策は消費にも目を向けることで企業の売り上げを増やすべきです。そして、欠損企業の比率をせめて5割に減らせば、それだけで法人税収は倍増します。もし、消費税の減税をしたとしても、法人税や事業税が増えていけば税収は安定します。ここ20年は税収は低下する一方です(下記データー参照)。

http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/010.htm

http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm

上記の2番目のデーターより、消費税は安定税収であることが分かります。広く薄く課税できるためです。日本のGDPに占める消費金額は300兆円です。単純計算すれば、15兆円は税収があってもよいものですが、消費税は全ての取引にもかかるものなので、漏れがあります。それでも国としては10兆円という金額は安定的な税収です。経済学者が社会保障の財源を消費税増税で負担する誘惑は理解できます。しかし、忘れてはならないのは、現在は不況であること。一般会計の税収は下落し続けているという事実です。もし、ここで消費税の増税があれば景気は落ち込み、税収も当然減るでしょう(税収は所得の増加関数)。

私は、現時点国民の豊かさを提供する政策としては消費税の見直しをするべきだと考えています。せめて、食品と生活必需品を無税にすることは決して無謀な政策ではありません。ヨーロッパでは上記のように食品や生活必需品には無税とする国がいくつかありあす。イギリスでもそうです。そして、取引の段階で課税をするのか、それとも付加価値税のようにするのかも議論の余地があるでしょう(大前研一氏は付加価値税を提案している)。一方で、企業の業績を増やすためにも景気対策を打ち続けていくことでしょう。

ブログ内やメール、そして評論家、経済学者の間で経済論議が盛んになってきました。結構なことだと思います。政党の間でも建設的な経済政策を比較し合えるような風土ができることが望ましいし、実際にやるべきです。目先の選挙も大事ですが、今大事なのは中長期的に日本経済を繁栄に導くかにかかっています。私自身の来年の研究テーマはこれに絞ろうと思います。

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