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東電賠償枠組みについて

 2011-05-16
東京電力の賠償枠組みが13日に決定しました。
少し遅くなりましたが、このブログでも紹介したいと思います。
今までのブログ記事では、下記の内容は断片的に伝えていますが、今回は全体像が見える記事を選びました。
 
経団連の米倉会長は、東電に責任が重くかかる賠償枠組みを批判していますが、実際はどのようなものかを見てみたいと思います。
 
下記の東京新聞に掲載された記事をご覧ください
 
 
転載始め
 
全体像を表した図が出ないので、見たい方は上記サイトにアクセスください。

東電賠償枠組み決定 債権放棄案に銀行困惑

2011年5月14日 朝刊
 東京電力福島第一原発の賠償金支払いの枠組みが十三日、まとまった。東電を政府の管理下に置き、新たに設立する機構を通じて公的資金も投入。電力の安定供給と数兆円に及ぶ支払いの確実な実施を目指す。ただ賠償費用は、最終的に電気料金値上げの形で国民に転嫁される可能性がある。政府は東電に融資した金融機関から負担を引き出して値上げを抑止しようと躍起だ。 (上田融、村松権主麿)

 ■責任

 今回の枠組みは国と東電以外の電力会社が東電の賠償金の支払いを支援する一方、投入した公的資金は東電に全額返済させるのが前提だ。政府は当初、枠組み策定の方針を「財政負担の最小化」としていた。
 しかし、海江田万里経済産業相は十三日の会見で「『国民負担の最小化』に改めた」と強調。背景には東電の支払総額に上限を設けない一方、国の責任があいまいになることに民主党内から「国がもっと責任を果たすべきだ」などの異論が続出したことがある。
 そのため最終的な枠組みでは、電力供給に支障が生じるなど「例外的な」場合は、政府が補助を行う仕組みを盛り込み、国が最終的に支払いに乗り出せる余地を残した。今後は、原発を推進するために国が設立した基金のお金を賠償資金に転用するよう求める声が強まる可能性もある。

 ■不透明

 政府は東電の賠償資金支払いに伴う国民負担の軽減を目指すが、先行きは不透明だ。新たな機構には、東電など原発を保有する電力会社十社も負担金を出し賠償資金とする。ただ、経産省は電力各社の負担金に関しては「各社が電気料金に転嫁できるコスト」(幹部)と認めており、いずれ料金の値上げにつながる可能性もある。
 金融市場では「新機構が東電に資本注入すれば一株当たりの利益が減り株主は一定責任を取ることになる」との声が強く、政府も上場を維持する方針。ただ、枠組みは株主や東電に融資する金融機関の責任を明確に問う形にはなっていない。
 金融機関については枝野幸男官房長官が十三日、「(債権放棄が全く行われない場合)国民の理解は到底得られない」と強い口調で語った。
 ただ、債権放棄は金融機関の経営を直撃するため、厳しい綱引きが行われるのは確実。政府は今国会に枠組みの関連法案を提出し可決成立を目指すが、先行きは難航しそうだ。
    ◇
 東京電力による損害賠償支払いの支援策をめぐり、枝野幸男官房長官が十三日、金融機関が東電の債権放棄などをしなければ「国民の理解は到底得られない」と発言したことで、大手銀行に困惑が広がった。
 同日の決算会見で、三井住友トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長は「どういう要請、中身なのか(要請が)来てから考える。現時点ではコメントできない」と戸惑いを隠さない。みずほフィナンシャルグループ(FG)の塚本隆史社長も「報道ベースの話でしか聞いてない中で、債権放棄うんぬんを考えられる状況にない」と語るしかなかった。
 金融機関の東電向け融資は約四兆円。債権放棄をした場合、金融機関は東電への融資分を「不良債権」に区分し直す必要に迫られ、各行が引当金を増やすなど経営にも悪影響を及ぼす。
 また、債権放棄は通常、破綻した企業向けに行われる。安易に債権放棄をすれば東電は破綻企業とみなされ、追加融資などが難しくなる。東電の資金調達が立ちゆかなくなり、金融市場が混乱する恐れもある。三井住友FGの宮田孝一社長は「金融市場に対する信頼感を担保することが大前提だ」と指摘した。
 ある大手銀行役員は、「放棄するのは簡単だが、その代わり信用を失った東電はつぶれる。こんなことが通ったら、われわれ銀行が行うほかの企業への融資にも影響する」と懸念している。
 
転載終わり
 
「国民負担の最小化」という考え方はよいとは思います。
この場合、東京電力の賠償とは、被曝された方々への損害賠償とみなすことができます。
東電側も、リストラを通じて賠償金の確保を図るのは当然の経営判断となります。
ここまでは私も納得しています。
 
しかしながら、何とも言えないのが、被害者の相談にも応じると言われる新機構の設立です。
ここには、原発を持つ電力会社からの負担金と金融機関からの融資を受けて返済することが明記されています。その資金を、東京電力に対して資本注入するという仕組みです。
 
政府の方はどうかというと、金融機関の補償と国債を発行して新機構に供給することが明記されています。
当然、新機構は政府に国債を返済するのは言うまでもありません。
 
このように、賠償金の返済が滞りが起こらないようなシステムが、一応形としてできたわけですが、政府の役割は、支払いの保障程度であって、責任を逃れているようにも見えます。
 
法律的には、原子力損害賠償法第三条の但し書きが存在します。
 

第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
 
本来ならば、東電にも免責が適用されるわけですし、政府にも責任論があるわけですが、今回の決定は東電側に多少偏った賠償スキームだとみることも可能です。ここを米倉会長が批判したと思われます。いずれにしても、政府の責任論があいまいになっていることが気になります。
 
次に問題となっているのが、東電に融資した銀行の債権放棄という発言を、枝野官房長官が言及したことです。
これは、大変問題があります。銀行側に不良債権を出せと言っているようなものであり、理解に苦しむものです。
おそらく、融資した資金を賠償のために使い、銀行側には東電からの返済をあきらめてもらうということですが、これは完全な片手落ちです。というのは、不況によって銀行側も決して経営状態がいいわけではありませんし、BIS規制によってただでさえ貸し出しは抑えていたわけです。そこで、融資が焦げ付くとなれば、銀行側には貸倒引当金というコストが発生します。
 
参考:貸倒引当金

貸倒引当金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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貸倒引当金(かしだおれひきあてきん、: Allowance For Bad Debt, Loan Loss Reserve: Allowance for Doubtful Accounts[1])は、金銭債権の貸倒見積高を計上することにより生じる引当金である。貸方に計上される勘定であるが、貸借対照表上は評価勘定として資産から控除される形で表示される。
なお、貸倒引当金とは、適正な資産評価および損益計算のために計上される抽象的な概念であり、リスクを定量的に表現したものにすぎない。そのため、貸倒引当金に相当する資金(現金)が現実に確保されるわけではない。
 
 
ただでさえ、経済全体の資金循環が小さくなっているのですから、銀行側に債権放棄を促す枝野官房長官の発言は、金融業界を混乱避け、場合によっては銀行株の低下を招く事態になりかねません。
賠償金ねん出に躍起になっている政府の焦りを感じます。
 
また、原発を抱える電力会社への負担金も提言されていますが、これもどうかと思います。どこも電力需給がひっ迫することで経営が圧迫されると予想されている本年、電力会社に追加負担を強いるのは酷でしょう。
 
上記の賠償スキームが機能停止状態になるとき、電気料金値上げという国民負担が待っています。
 
結局、政府が責任論を曖昧にしていること。
新機構の存在がいまいちどのように機能するか不透明なこと。
そして、銀行が東電に対する融資が不良債権となれば、経済への悪影響が及ぶことが予想されますので、まだまだ検討の余地があることが言うまでもありません(さすがに、新機構への融資に対して債権放棄は言わないでしょうが)。
 
 
 
 
 
 
 
 
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