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復興よりも増税が優先なのか

 2011-06-08
菅政権が誕生して1年が過ぎました。
小泉政権以降は最長ということを見る限り、日本は「高速回転民主主義」となっています。
無能な首相への見切りは本当に早く、有能であっても体調不良で離脱してきた経緯があります。
 
さて、このブログでは、盛んに「デフレ不況下の増税は間違いだ」と指摘してきました。しかしながら、財政学者に限らず著名な経済学者は増税容認、メディアは産経新聞以外は増税賛成です。
 
震災復興から、まもなく三ヶ月が経過しようとしているのに、増税論だけが先行となる報道姿勢には違和感を覚えます。これでは、復興の前に日本経済が崩壊する可能性が高くなってしまいます。
 
本日は、復興よりも増税を推進する姿勢に批判的な、嘉悦大学の高橋洋一教授のコラムを紹介します。
 
転載始め

【復興が遅れても「消費税10%」は着々と進む】

2011年6月6日 夕刊フジ 高橋洋一(元内閣参事官・嘉悦大教授)
 
社会保障と税の一体改革で「2015年度までに段階的に消費税を10%まで引き上げる」という方針が明らかになった。

民主党菅政権は、震災復興も進まず、東電福島第1原発事故対応でもモタモタしている。そのほか、子ども手当などマニフェストに書かれたさまざまな政策の実現が遅れたり見直されたりする中で、消費税増税だけが着々と進んでいるのはなぜか。

それは、消費税増税を悲願とする財務省がマスコミを使って着々と手を打っているからだ。

菅政権に対する不信任案が提出されるなど、その行く末が危うくなる中で、政権がどうなっても増税路線が固まっていることを地ならしすることも目的としている。

税というのは「課税なくして代表なし」という言葉があるように、政治主導の代表例だ。それにも関わらず、税金の話は完全に財務省主導である。それは各紙の報道ぶりをみてもわかる。

1日の各紙はいずれも「社会保障と税の一体改革に向けた政府の集中検討会議(議長・菅直人首相)が6月2日に示す改革原案の全容が31日、明らかになった」という書きぶりになっている。

このように「…が明らかになった」というのは、ほとんど役所からのリーク情報である。

一般論として、役所の審議会の報告書が出るときには、マスコミが報告書を公表当日に読んで記事にしているのでない。

役所は事前に報告書をマスコミに配布して、その内容を説明する(「事前レク」という)。マスコミは発表当日に役所の事前レクどおりに報道する。通常は報告書の公表日までは事前レク内容を報道しないとされている。

というのは、審議会の前に報告書が決まっているなら、事前に役所の思惑で報告書ができていることがわかってしまい、審議会メンバーは何をしているのかと批判されるからだ。

実は、審議会は役所が動かしており、審議会メンバーは御用学者などで構成されているのは事実だが、それをあからさまにいえないのだ。

ただ、税金は重要な政治問題になる。民主党内でも政府案は「消費増税ありきだ」との批判が出ているので、政治の場で増税の是非が議論されるだろう。

今回の増税は、復興財源ではない。消費税引き上げの根拠として社会保障の財源としているが、その妥当性はどうだろうか。社会保障に限らず経済状況を改善するほうが先決だ。そうでないと、増税が経済を押しつぶしてしまう。

内閣府によれば11年1~3月期のGDPギャップ(需給ギャップ)が▲3・9%で20兆円程度ある。

このままでは経済が弱すぎる。増税の前にやるべきことは多い。
転載終わり
 
最近は、復興税の議論が下火になってきており、社会保障目的としての消費税の引き上げが再び話題になってきました。復興とは関係なく、社会保障の財源確保が大事だと誤解してもおかしくはない論調です。
 
社会保障は、政治的にも極めて大事です。
少子高齢化社会を迎える我が国は、福祉問題を無視した政策は成り立ちません。
そのため、福祉財源をどうするかという議論は大いにやるべきです。
ただ、残念なのは、「まず増税ありき」となっており、次には「税率を何%とするか」が来ます。そして、最後は「いつから導入するか」というのが主な柱です。
 
高橋教授が指摘するように、増税の前にやることはたくさんあるのです。
社会保障関係費は、2010年度予算でも27兆円を超えています。予算の3割(国債を除けば5割)を超える重要な支出項目です。ただ、毎年1兆円単位で上昇する社会保障関係費には、相当の無駄遣いが行われていることが、学習院大学の鈴木亘教授によって指摘されています。
 
社会保障の選択と集中の議論には、マクロ経済的な議論が少ないので、経済をよくして税収を挙げることが抜け落ちており、増税ばかりが取りざたされています。これは由々しき事態です。
 
震災によるデフレギャップが拡大しつつある今、増税は日本経済をさらに冷え込ませる可能性があります。
政府には、安易な増税を否定する勢力が少ないために、高橋教授のような意見が通りにくくなっています。
 
所得税の最高税率も引き上げが検討されている今、日本は重税国家へと道を歩みつつあります。
そうではなく、成長を促進すること、つまり「強い経済」をつくることで「強い社会保障」となることを忘れてはいけません。
 

JR清水駅前での辻たち風景。小雨がちらつく天気でしたが、最後には晴れました。
 

 
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