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新エネルギーの現状と課題

 2011-05-29
福島第一原発事故以来、原子力発電に対する反発と太陽光や風力発電に対する期待が高まっています。
実際は、どうなっているかを、週刊東京経済の抜粋記事を参照にして考えてみたいと思います。
 
転載始め
 
 
東日本大震災は、電力・エネルギーに対する日本人の価値観を大きく変えてしまった。それは、原子力発電への決定的な不信と、太陽光や風力といった新エネルギーに対するこれまで以上の期待である。環境セミナーなどを運営するイーズ社が震災後に行った調査によれば、日本人の72%が、30年後の電力供給に占める原発の割合を減らすことが望ましいと回答。他方で、新エネルギーの普及拡大を望んでいる。

企業も消費者の変化を敏感に察知し、対応策を積極化する。住宅大手の大和ハウス工業は、リチウムイオン蓄電池と太陽光発電を連携させた非常用の電源装置を4月1日に発売。わずか5日で約200件もの問い合わせがあった。
 
世界で本命の風力 地熱は火山大国に好適

 社会はもはや、石油や石炭、原子力といった従来型のエネルギー源へ逆行できないように見える。しかし現状を冷静に眺めれば、新エネルギーが日本の発電量全体に占める比率はわずか1%にすぎない。対する原子力発電は約30%もある。種々雑多な新エネルギーの中で、本当に原発の代替となるほどの有望なものはあるのだろうか。
 



発電コストが比較的安く、世界全体で最も導入が進んでいる新エネルギーは風力発電だ。国際エネルギー機関(IEA)は、2020年以降の世界導入量は原子力を上回ると予測している。デンマークのように電力需要の20%を風力発電で賄っている国もある。

日本で風力発電を効率よく運営できる風況を有するのは、北海道・東北地方に集中する。環境省や風力発電協会による潜在的な風力発電の導入可能量は、原発を代替できることはもちろん、日本の全発電設備容量の数倍にもなる。

だが、これまでの導入ペースは緩慢だった。過去10年余り、日本での風力発電導入量の年間平均は23万キロワットで推移し、増加の傾向をほとんど見せていない。電力会社が風力発電による電力買い取りを制限してきたことが一因だが、周辺地域の苦情もあった。風力発電機が発する低周波の騒音は、日本のように人口密度が高い国では特に問題となる。

 環境省調査によれば、風力発電施設の16%に騒音の苦情が寄せられているという。洋上風力導入にしても、漁獲高への影響を懸念する漁業者への理解が必須となる。世界では本命技術の風力発電だが、日本では主流になりにくい事情がある。

ほかの有力な方式としては、
火山帯の地下に井戸を掘り熱水や蒸気をくみ出して発電する地熱発電がある。特に日本のような火山大国において潜在力は大きく、その資源量は最大2000万キロワットと、原子力発電所20基分に相当する。

ただ、現状の導入量累計は53万キロワットと、その2%程度にとどまる。地熱発電所の建設に適した立地の多くが、国立公園内や周囲に温泉があるため、観光業者などの理解が不可欠となる。風力発電と同様、周辺地域との摩擦が導入を阻む大きな要因となっている。

 その点、太陽光発電は設備設置が比較的容易で、新エネルギーの中でも導入に伴う社会的軋轢が最も少ない。設置補助金や固定価格買い取りなどの導入支援を国が積極化できた一因も、ここにある。昨10年の国内出荷量は99万キロワットと前年比で約2倍。国の太陽光発電普及ロードマップによれば、今は用途の8割が住宅向けだが、今後は商業施設や事業所などの非住宅向けでも導入補助を強化していく。そして30年をメドに累積導入量を現在の約350万キロワットから1億キロワットへ急拡大させる目標を掲げる。これは想定される30年の家庭用電力の半分余り、総電力消費の1割程度を賄える規模である。
 
コスト高と蓄電に課題抱える太陽光

 とはいえ、
太陽光発電にも課題が山積する。第一に、主要な新エネルギー技術の中では群を抜いて高コストであることだ。現在の発電コストは火力発電所の6~7倍。この格差を反映して、現在の固定価格買い取り制度では、一般電力料金の2倍弱(住宅用で1キロワット時当たり42円)という高価格で、電力会社側は太陽光による発電電力を買い取っている。11年4月からは、月間で一律3~21円の電気料金上乗せという形で、一般家庭にもこの「逆ザヤ」分が負担させられている。


 
 難しいのは、太陽光発電システムの価格はすでに引き下げ余地が限定的になっていることだ。太陽電池メーカーは生産工程効率化などの努力を行ってはいるが、実際、太陽光発電システムのコストの約半分が工事や販売の経費で占められる。人件費に多くを左右される部分で合理化がしにくい。国は30年をメドに、原発並みのコストに引き下げる目標を掲げるが、ハードルは高い。

課題の第二は、天候任せで不安定という太陽光発電の性質である。電気はそれ自体では貯められない「生もの」だ。発電されたら直ちに使わなければならないが、太陽光発電では日中、しかも天候がよくないと十分に発電できない。安定的な電源として使うには何らかの蓄電システムの設置が追加的に必要になる。このコストもまた巨額だ。経済産業省の試算によれば、30年の太陽光発電導入目標を前提にすると、系統安定化などで最大6兆円もの蓄電装置費用が必要になる。

結局、本命と目される太陽光にも欠点がある。現時点ではどの新エネルギーも発展途上で、直ちに原発の対抗馬となれそうな技術は見当たらないのが実情だ。したがって、新エネルギーの導入には政治的な推進を続けることが不可欠となる。

電力業界は、こうした問題点を列挙し、新エネルギーには及び腰な態度を取ってきた。重要なことに、エネルギー政策の枠組みを作る経済産業省内で、電力業界と関係が深い部署(電力・ガス事業部)は、新エネルギーを担当する部署(新エネルギー部)より立場が強い。


さらに「民主党内では、環境・エネルギー分野に精通した政治家が全然育っていない。このため、この分野での政策決定の主導権は、自民党時代以上に経済産業省が握っている」(環境活動家として知られる飯田哲也・環境エネルギー政策研究所所長)。


東京電力福島第一原発事故の収束が見えてくれば、電力業界が経済産業省と一体になって、既存の事業基盤を守れる従来型エネルギーへ傾いていく、というのが今後起きそうなシナリオだ。

(週刊東洋経済2011年4月30日-5月7日合併号より筆者の判断で抜粋。下線部分もすべて筆者によるもの。編集の都合上、カッコの変換も2か所行っている)
 
転載終わり
 
現状を見ると、コストや制度面での問題が山積みであることが分かります。
風力と太陽光が原発の代替となるには、まだまだ数十年先の話であり、政治的にも継続して推進していかなかなければ実現は難しいと言えます。
 
菅首相は、エネルギー政策を白紙に戻して自然エネルギーの導入を推進することに言及していますが、果たしてどこまで進められるかは、今後の政府のとるエネルギー政策次第です。
 
原発には危険が伴いますが、火力発電の次に重要となる代替エネルギーは、まだ当分先になる以上、原子力発電は必要だと結論を出さざるを得ません。
 
政治では理想を述べることは大事です。ビジョンを持ち、有権者に訴えることも必要ですが、実現可能性はリアルに見ていく必要があります。
 
安易な自然エネルギー待望論に乗るのは早いと言わざるを得ません。
 
 




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