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消費税増税は政治のオモチャ?

 2011-02-04
最近は、消費税増税論議が再燃すると同時に、菅首相のコメントもちぐはぐさが目立ってきました。それでも、国民を増税に先導するメディアの報道は相変わらずです。
しかしながら、最近は週刊朝日をはじめとした週刊誌系で「増税にだまされるな」という文字が踊るようになっただけでも、大きな進歩だと思います。
 
論調としては、日本の債務が1000兆円に達しているので、「将来的には増税は仕方ないが、デフレ不況下ではやるべきではない」という内容が大方を占めていると言えましょう。一昨年の衆院選の時は、ほとんどメディアが消費税を支持していたことを思えば、この3年弱の間で論調が変わってきた実感を感じます。
 
さて、本日紹介する記事は、週刊ダイヤモンドの慶應義塾大学の岸博幸教授の「クリエイティブ国富論」からの転載です(文字数の制約のため、部分割愛しております。なお、記事は昨年の参院選前に出されたものですが、内容は決して古くはありません)。なお、太字や下線は中野の独自判断で入れています。
 
転載始め

消費税増税という政治のおもちゃ

財政健全化に消費税増税は不可欠?

 一つは、消費税増税なしにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の回復は不可能なのか、という点です。政府が6月22日に発表した「財政運営戦略」を読むと、“消費税増税”という直裁的な表現はありませんが、いかにもそれなしには財政健全化は不可能というトーンを盛んに醸し出しています。しかし、それを真に受けてもいいものでしょうか。
 「財政運営戦略」には、“政府は、新成長戦略の目標とする経済成長率を達成するために全力を尽くす。一方、財政健全化の道筋を示すに当たっては、慎重な経済見通しを前提とすることを基本とすべきである。”という表現があります。
 ここで言う“慎重な経済見通し”とは、同日に内閣府から発表された「経済財政の中長期試算」に描かれている“慎重シナリオ”を指していますが、このシナリオが異常なまでに慎重なものとなっています。
 まず、実質成長率が小泉時代の実績よりもかなり低く見積もられています。2023年度までずっと1%台です。日本経済の潜在成長率が1%程度であることを考えると、政府は成長率を高めるような経済運営はしないと宣言しているに等しいと言わざるを得ません(その一方で2012年には慎重シナリオでもデフレ脱却を想定しているというのは、ちょっと理解に苦しみますが)。
 そうなると名目成長率も低いままで推移しますので、税収も当然あまり増えませんから、基礎的財政収支の改善ペースも緩やかとなります。
 
しかし、中長期試算の5ページ目の図1をご覧ください。慎重シナリオの下での基礎的財政収支の改善見通しが示されていますが、重要なのは今後の見通しよりもこれまでの実績です。小泉時代は、基礎的財政収支の赤字幅が2003年の28兆円から2007年には6兆円にまで急速に改善しています。 これは、小泉時代に景気が回復して税収が増加したからに他なりませんが、このときの改善ペースと比べると、慎重シナリオでの今後の改善ペースが非常に緩慢であることは一目瞭然です。なぜ小泉時代の成功体験を今後も続けようとしないのでしょうか。早く消費税増税をしたいために、敢えて悲観的な成長と収支改善シナリオを示しているようにしか思えません。
 財政運営は保守的であるべきという考えは正しいですが、政府が経済運営を放棄することは保守的とは違います。単なる無責任です。その無責任のツケを消費税増税という形で国民に負わせようとするのは問題ではないでしょうか。

「第三の道」の欺瞞

 もう一つは、菅総理の経済活性化策の中核をなす「第三の道」です。政府が増税で得た財源を医療・福祉などの成長分野で積極的に支出すれば、雇用が増えて経済が活性化するという理論です。菅総理のブレインと称する経済学者もメディアで一生懸命語っていますが、この理論は本当に正しいのでしょうか。
 結論として、この理論は現実には機能し得ない机上の空論です。機能するためには、「政府は民間よりも賢いお金の使い方をできる」という前提が満たされなくてはならないからです。
 しかし、政府が決して賢いお金の使い方をしない、できないのは、過去の無駄な公共事業や、グリーンピアなどの社会保険庁の無駄遣い、各省庁に山ほどある無駄な予算などから明らかです。数名の民主党の政治家が各省庁に入っただけで、それが突然全面的に改善されるなんてことはあり得ません。
 つまり、必要な前提がまったく満たされていないのです。机上の理論としてはあり得るかもしれませんが、政策の現実は必要な前提を絶対に満たさないことを、菅総理は認識すべきではないでしょうか。
 よく「第三の道」の例としてスウェーデンが挙げられますが、スウェーデンは人口925万人で、日本で言えば神奈川県(900万人)のレベルです。
 地方自治体レベルならば政府の無駄に対する監視もしっかりと行なえ、政府が賢い支出を行なうことも可能かもしれません。でも、それと同じ議論を人口1億2千万人の国の巨大な政府に適用することにも、明らかに無理があります。
かつ、菅総理は10年という中長期の経済戦略として「第三の道」を主張していますが、事実上ケインズ政策を意味する「第三の道」は短期的に行なわれるべきものであり、時間軸も間違えていると言わざるを得ません。
 以上から、「第三の道」というのは浮世離れした絵空事としか評価できません。ちょっと考えれば失敗確実と分かる程度の代物です。1億2千万の国民を道連れにして机上の空論を実践しようとしているのです。そのような無謀な社会実験は慎むべきではないでしょうか。

消費税増税を政治のおもちゃにするな

 以上から、今の政権がいかに稚拙な発想で消費税増税を言い出しているかがご理解いただけると思います。
 もちろん、将来的には消費税増税は不可避です。ただ、それは、成長とデフレ脱却を目指した経済運営、公務員給与削減などの政府の無駄の徹底的な削減、民主党のバラマキ政策の修正など、まず政府がまずやるべきことをしっかりやってからです。
 かつ、経済と財政の両方の観点を踏まえた精緻な議論が不可欠です。それなのに、今の民主党や政府の議論はあまりに財政ばかりに偏り、経済については手抜き、責任放棄になっているのではないでしょうか。
 ちなみに、一部の評論家は、消費税増税論は財務省の陰謀と喧伝していますが、私はそうは思いません。財務省はバカじゃないですから、政府がやるべきことをすべてやる前にまず消費税増税と叫んでも、国民に理解してもらえるとは考えていないはずです。むしろ、“菅総理が暴走しちゃって実現してくれたらラッキー”というのが本音ではないでしょうか。
 ただ、税収を増やしたい財務省も、自分の予算を増やしたい各省庁も、本音では消費税増税に当然賛成です。霞ヶ関は一致団結して、消費税増税に向けた政治の暴走を支援するのです。
 そうした中で二大政党が浅はかな考えから消費税増税を主張し、かつ多くのマスメディアがそれを評価しているというのは、非常に嘆かわしく、かつ恐ろしい状況ではないでしょうか。
 
転載終わり
 
岸教授は、内閣府の経済財政中長期試算の成長率の見積もりの低さに疑問を持っています。成長を低く見積もるのは結構ですが、やはり増税の前に政府としてやるべき経済政策を打ち出さない限り、国民は増税に納得しません。明確な成長指針がでず、無駄の削減もしない中で進められる増税路線は、まさに政治のオモチャです。
 
 
 
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