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発送電分離①

 2011-06-02
福島第一原発事故以来、電力会社による発電と送電一体化を疑問視する声が高まっています。いわゆる発送電分離の議論です。
日本では、東京電力や中部電力など、地域9社による運営をされており、メディアでは「地域独占」という呼び方をしています。
 
経済学者や経営者からも、発送電分離の意見は多く出ており、新エネルギー問題同様に国民の関心も高まっているのは間違いありません。
 
政府でも、経産省を中心に部会が開かれました。
まずは、下記の記事をご覧ください。
 
転載始め

<発送電分離>検討開始、月内に論点整理 経産省産業構造審

毎日新聞 6月2日(木)2時30分配信
 経済産業省は1日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)産業競争力部会(部会長・伊藤元重東大大学院教授)の初会合を開き、電力システム改革の議論を始めた。電力会社の発電部門と送電部門の分離(発送電分離)や電力需給を調整するスマートグリッド(次世代送電網)、再生可能エネルギーの拡大などを検討する。

 また、卸電力取引所の機能を強化し、企業が節電した電力を売却して利益にできるようにしたり、自家発電を持つ企業が電力を売買しやすくすることも検討し、既存の電力会社に頼らない分散型の電力供給システム作りを目指す。大災害などにも対応できるインフラを整備するため、電力システムへの公的関与の必要性も検討課題になる。

 同部会は産業界からの意見も聞きながら、震災で寸断されたサプライチェーン(部品供給網)の強化や産業空洞化対策なども議論する予定。6月末までに論点を整理し、政府の新成長戦略実現会議の議論に反映させる方針だ。【野原大輔】
 
転載終わり
 
以前にも、発送電分離の議論はありました。
福島第一原発事故以来、久方ぶりに復活した感じです。
 
ただ、現場からは「唐突だ」との批判の声が上がっているのも事実です。
 
サンケイ・ビジネスアイは、バランスのよい議論を紹介していますので、全体的なイメージをつくるには良い記事です。
 
転載始め
 

「競争を促進」「効果未知数」発送電分離に評価割れる

フジサンケイ ビジネスアイ 6月1日(水)8時15分配信
 電力会社の発電と送電部門を切り離す「発送電分離」案をめぐり、その是非について産業界でも意見が分かれている。分離の動機や効果に疑問を呈する意見や、積極推進で競争を促す経営者もいる。政府は、再生可能エネルギーの導入拡大のため電気事業の抜本改革を進める方針で、その主要検討課題となる見通しだ。ただ、分離の効果は未知数で、実現には詳細な制度設計が求められる。

 ◆リストラ迫る脅し

 「動機が不純だ」。日本経団連の米倉弘昌会長は発送電分離論をこう牽制(けんせい)する。米倉会長に限らず、突如浮上した分離論は東京電力にリストラを迫るための脅しに使われているとみる向きは多い。日本電機工業会の下村節宏会長(三菱電機会長)も31日の会見で「かなり唐突な感じ。安定供給されてきた電力網の品質が落ちないよう慎重な議論が必要だ」と、拙速を戒めた。

 一方、楽天の三木谷浩史社長は現状の発送電一体運営を「規律も競争も働かなくなる」と批判。競争原理を働かせれば経営の透明性や電力コストの低下につながるとの考えだ。

 電力会社から送電網を開放し、あらゆる発電会社や電力小売り会社が利用できるようにすれば、競争原理が働き電気料金は下がっていく。これが発送電分離で目指す姿だ。

 ◆進まない自由化

 国内では2000年以降、送電網を徐々に開放する自由化が進められた。電力会社以外の事業者が電力小売りをできる対象は、今ではスーパーや病院など50キロワット以上の需要家にまで拡大。自前の発電設備のほか、電力会社や卸電力事業者(IPP)から電気を仕入れて小売りする特定規模電気事業者(PPS)も46社が参入した。

 ただ、その効果は限定的で、新規参入者のシェア合計は約3%にとどまる。その原因についてPPS大手のエネットは「電力会社が所有する送電網の使用料金である託送料の高さと、送電網の利用ルールにある」(谷口直行経営企画部長)と話す。

 託送料はPPSのコストの2~3割を占める。ほかにも、PPSが送る電力と顧客が受け取る電力の差が3%を超えるとペナルティーが発生する。不安定な業者が送電網に接続すると電気の周波数が乱れ、最悪の場合、大規模停電に至るためだ。

 託送料については電力会社側に超過利潤が生じない水準に規制し、ペナルティーも新規参入者には軽減枠を設けるなど障壁は徐々に引き下げられてきた。それでも谷口氏は「自由化から10年以上。実績を評価したうえで大胆に見直すべき時期にきている」と主張。さらなる自由化の推進を説くが、発送電分離については効果が不明のため、「簡単ではない」と慎重だ。

 実は、約10年前の電力自由化議論の中でも発送電分離論が出たが、このときは東電の“政治力”で頓挫したとされる。

 ◆拙速な分離 安定供給にリスク

 それでは、発送電分離には効果があるのか。電力自由化は欧米が先行したが、日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一氏は「現在は分離後にいかに安定的で効率のよい発送電を維持していくかの制度や技術に関心が移っている」と話す。

 例えば、1989年に国営電力会社の発送電を分離し規制改革のモデルとされた英国は、小売り部門が寡占状態で電気料金の値下がりが十分でないとの批判もある。経済産業省によると、09年時点の産業用電気料金は1キロワット時=約13米セント(購買力平価換算)で、日本とほぼ同水準。米国は同約7セントだが、01年のカリフォルニア大停電が自由化の失敗によるとされ、その後の発送電分離の動きは低調だ。

 ドイツは、脱原発と同時に出力の不安定な再生可能エネルギー導入拡大のため送電網の再構築を迫られており、投資をまかなうため同約10セント(同)からの上昇も不可避とみられている。

 日本も欧米と同様に発送電分離と再生可能エネルギー導入拡大を目指すのであれば、安定供給のために「むしろ自由化ではなく規制強化が必要。割高な再生可能エネルギーによる電力を顧客に買わせる制度設計も必要になる」と小笠原氏は指摘する。

 欧米の例をみても、発送電分離や自由化のメリットははっきりしない。電力業界は「電源と送電線の確保、運営を一体で行うことが安定供給と効率的な設備形成の面で重要との考え方をしてきた」(電気事業連合会の八木誠会長)と発送電分離には反対の立場だ。しかし、今回は官僚の天下り受け入れなどを通じて“政治力”を保ってきた電力業界の筆頭である東電は「原発事故の対応で発言力が落ちる」(政府関係者)とみられ、10年前とは状況が違ってきた。

 日本の電気料金は国際的にみて高いとの不満は根強いが、拙速な発送電分離は安定供給などでリスクを伴うことも明らかだ。(粂博之、吉村英輝)
 
転載終わり
 
電力は、生活とビジネスに不可欠なために、安定供給が原則だと考えるのが筋です。電気料金を安くするためなら、外国企業の参入も認めることになります。
エネルギー関連の分野に、利益とならなければ撤退が早い外国企業が地位を占めた場合は、いっそう市場が不安定になる可能性もあります。
 
政府は、6月末までに方向性をまとめるようですが、くれぐれも稚拙な政策とならないことを祈るばかりです。郵政民営化のときも、現場は大混乱でした。方向性は正しくとも、詳細な議論が反映されていなかったために、民営化に賛成していた郵便局長でさえも政府批判をしていた方もいました。
 
よって、「自由化すれば問題解決」とか電力事業のホワイトナイトとなるような論調だけは避けるべきで、サンケイビジネスアイも主張しているように、慎重な対応をしていくのがベターかと思います。
 
長い目で見て、発送電を分離して、「日本版スマートグリッド」を導入するならば、相応の予算と研究、法整備、関連組織が必要となります。アメリカが導入しようとしているスマートグリッドは、既に日本では存在するとも言われていますので、「アメリカがやるから日本も」という単純な議論だけは避けるべきでしょう。
 
議論は始まったばかりです。
政府の部会がどのような議論を展開するのか、今後の展開を追っていきたいと思います。
 
 
 
 
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