米比海軍演習をどうみるか

 2011-06-29
ここに来て、フィリピン、ベトナムがシナに対して強固な姿勢を見せています。
南シナ海という呼び方まで訂正する勢いで、シナによる実効支配に対しての抗議とみることができます。
我が国では、シナ政府に対して全く従順で話になりませんが、他国の対応を見る限り、これが正当な国益を守る行動であることが理解できます。

まずは、アメリカとフィリピン海軍の合同演習の記事をご覧下さい。


転載始め

【米比海軍の合同演習始まる=南シナ海めぐり中国刺激も】
2011年6月28日 時事

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011062800647

フィリピン海軍と米海軍の合同軍事演習が28日、フィリピン南西沖のスルー海で始まった。

演習海域に近い南シナ海では、フィリピンなどと中国の間で南沙(英語名スプラトリー)諸島の領有権をめぐり緊張が高まっている。

米国はフィリピンへの防衛支援を明確にしており、演習は中国を刺激しそうだ。

演習は米海軍からイージス艦2隻と救難艦1隻が参加し、7月8日まで実施される。

演習海域はフィリピン南西部のパラワン島沖で、同島を隔てて北西側に南シナ海が広がる。

両国海軍の演習は毎年実施。フィリピン側は今回の演習について「南シナ海問題とは関係がない」としている。

しかしアキノ大統領は今月14日、南シナ海で中国を抑えるためには、米国の支援が必要との見解を表明。

また、クリントン米国務長官も23日、フィリピンのデルロサリオ外相との会談後、防衛支援と軍の近代化に必要な武器を供与する意向を示した。


転載終わり

フィリピンにとっては、南沙諸島は死活問題です。
アメリカとの演習は毎年行い、「南シナ海問題とは関係がない」と言及していますが、これはいたずらにシナを刺激しないための外交辞令だとみなせます。本質は、シナ政府に対するけん制であり、南沙諸島の領有権を強固に主張していると考えるのが筋でしょう。

さて、沖縄の尖閣諸島沖でのシナ海軍の不穏な動きは収まる気配がありません。
これに対しては、外務省は全く抗議すらしません。
そして、昨年末に発生したシナ漁船衝突事故の主犯である船長を再び不起訴処分にした那覇地検の判断には閉口しました。



転載始め

【尖閣、中国人船長を再び不起訴―漁船衝突事件で那覇地検】
2011年6月28日 共同


沖縄県・尖閣諸島付近の中国漁船衝突事件で、那覇地検は28日、海上保安庁の巡視船に衝突したとする公務執行妨害や外国人漁業規制法違反などの容疑について、那覇検察審査会が起訴相当と議決したセン其雄船長(42)を再び不起訴とした。

平光信隆次席検事は「補充捜査の結果、計画性は認められず、再犯の恐れがない」としている。

那覇検審が再審査し「起訴すべきだ」と議決すると、強制起訴となる。

船長は昨年9月7日、巡視船「みずき」に故意に衝突したとして逮捕されたが、那覇地検は同25日に船長を釈放。

今年1月に不起訴としたが、那覇検審が4月と6月に起訴相当と議決していた。


転載終わり

検事が主張している、「計画性がない」という判断はどこから出てきたのか、はっきいって不透明です。
上記の船長は、「尖閣は中国の領土」「もう一度漁をしたい」と、地元メディアに言及していることから、明らかに再犯の可能性は高いと判断できます。

そして、最も問題とされるのは、「尖閣沖でシナ政府が何をやっても日本は対応してこない」とみなされることです。このまま放置をすることになれば、尖閣沖は治外法権となり、日本の法律が及ばないことになります。今回の船長が不起訴処分となれば、同じような行動をする輩が増えることは間違いありません。


本文の冒頭で紹介したフィリピンとの対応とは全く異なります。
フィリピンは、南沙諸島から米軍を追い出してしまい、この地域をシナ軍によって実効支配されてしまった経緯があります。もし、沖縄で米軍追い出し運動が加速し、本当に撤退してしまったらどうなるでしょうか。自衛隊の配備も少ないことを考慮すれば、ほぼ丸腰になることを意味します。普天間基地に海兵隊が存在し、嘉手納基地に空軍が存在するからこそ、抑止力となっているのです。


日本政府は、あまりにもシナ政府に配慮しすぎです。
ある意味、日本的な美徳がシナ人を付け上らせているのです。
外交上何もしないということは、相手の言動をみとめたことと同じです。
日本の漁業権が犯され、領土が侵犯されても「日中平和」を優先するならば、本末転倒と言えましょう。


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